映画『がっこうぐらし!』を観た内容・感想とか

映画『がっこうぐらし!』を観に行った内容と感想。

見ていない人向け

一言で言うと、良かった。作品の本質的な部分は掴みつつ、ちゃんと現実世界化してくれている。


ここから先はネタバレ要素を含みます。


話の流れ

まず話の流れを整理しておく。うろ覚えがあったり順番が前後しているかもしれない。各イベントの間には日常パートが入っていることもあるが書ききれていない。

舞台は高校で、陸上部で練習をしているくるみのシーンからはじまる。くるみはどうも転びやすいらしく、保健室で、養護教諭兼保健の先生兼園芸部顧問である佐倉慈のお世話になる。そこでいわゆる保健室登校をしている子、ゆきと知り合う。ゆきは佐倉先生のことをめぐねえと呼んだり、先生の持ってきたぬいぐるみにグーマちゃんと名付けたりしていている。先生によると、「いじめられたりしているわけじゃないんだけど、ちょっと浮いている子で、ここが彼女の避難場所なの」ということらしい。その後くるみは、OBとして陸上部に参加している葛城先輩に恋心を抱いていていることもあり、恋愛相談のことで保健室に通ったりしているうちに、ゆきと打ち解けたり、先生のことをめぐねえと呼んだりするようになる。りーさんも園芸部部長ということで一瞬めぐねえに声をかけに登場する。そして保健室から帰ろうとしたくるみは、先輩に声をかけられて……

と、ここまでがくるみの回想だったように朝のシーンになる。学園生活部であるくるみ、ゆき、りーさん、そしてめぐねえ、の朝食。(ここでよく見ると……というのは後で話す。)学園生活部が合宿として学校に寝泊まりしていることなど、このあたりは学園生活部が何なのかの導入になる。その後屋上で野菜を採る。ゆきは採れた野菜をクラスの友達に楽しそうに見せに行く。くるみ、りーさんも教室へ向かい「ゆき、もう行くぞ」と声をかけると、そこには独りで会話を続けるゆきの姿と、荒れた校舎が……でタイトルが出てくる。

食糧とか生活必需品が足りていないということで、くるみとりーさんは食堂へ調達しに行く計画を立てる。スコップとかバットを持っていくも割と危うい。なんとか食堂にたどり着き、色々あさっていると、扉の奥から声がして、開けたくるみが襲われる。応戦状態になるが、相手の「人です」という言葉でおさまる。

教室で噛まれていないことを確認後、自己紹介。見つかったのは2年生の直樹美紀で、髪も服もボロボロだった。ここでゆきにみーくんというあだ名を付けられる。みーくんはゆきや学園生活部の態度に不信感を抱きながら共同生活を送ることとなる。少し落ち着くと、ゆきを除いて会議になる。みーくんは「こんな髪も服もきれいな状態で! 食堂がどんなに大変だったのか知らないでしょう!」と食堂での様子を話す。友達である圭と、机の上に乗って「かれら」をしのごうとしたが、圭は引きずり込まれてしまった、というものだった。りーさんも「こっちだって最初からこうだったわけじゃない、」と経緯を話す。当時、急に事件がおこり、十数人くらいの生徒と先生は屋上へ避難した。パニクるゆき。葛城先輩を抱え込むくるみ。だが屋上でも感染者が発生し、数人を残して下へ逃げてしまう。めぐねえは「下へ行ってはだめ」と呼びかけるが、もう遅く、窓の透けた扉の向こうで「助けて!」と叫ぶ生徒を見ながら扉を閉め、生き残ったのが学園生活部のメンバーだった。

みーくんとしては学校を早く抜け出したいらしく、職員室を勝手にあさり、車で逃げ出そうとする。一度目はくるみに止められる。みーくんはゆきを抱え込んでいる学園生活部の状況について非難する。そこでくるみは学園生活部が、事件で落ち込んでいた自分たち、特にゆきを励ますために、めぐねえが企画したものであることを話す。みーくんはそんなの互いに寄りかかってるだけだ、だのゆきが足手まといになるなら置いていけばいい、だの言い、喧嘩になる。まあゆきはその言い争いを裏で聞いているわけだが。

校内放送で急にクラシックが流れる。音源へ向かう習性のある「かれら」をみーくんが校舎にあつめ、脱出を図ろうとしたらしい。途中でゆきに見つかるが、バールで「かれら」を倒しながらも脱出を続ける。だが車の鍵がどの車のものか探しているうちに「かれら」に囲まれてしまう。ゆきと適当な車の上に乗ってしのごうとするも、みーくんは圭のことを思い出し発作を起こしてしまう。

くるみが駆けつけ、「かれら」の注意をそらす。りーさんが BGM を『天国と地獄』にかけ直すと、ゆきは「体育祭だね!」と気を取り直す。くるみの「障害物競走だ、走れ!」という掛け声で、ゆきはみーくんの手をとり、車の上から校舎へ走り出す。みーくんは本当に体育祭でゆきと走っているような感覚に包まれる。この件のあと、みーくんは独り階段で落ち込むが、案の定ゆきはちょっかいを出しに行く。みーくんがなんで先輩はそんなに元気でいられるのか、と訊くと、ゆきは本当は自分のいないところでくるみやりーさんが疲れていたり喧嘩しているのは知っていて、自分は元気でいたい、というようなことを答える。

みーくんの戦闘能力を見たくるみは、防災倉庫前に溜まっている「かれら」を片付けようとみーくんを誘う。みーくんは、前に学園生活部にゆきが必要だと言っていたことがなんとなくわかった、というようなことを言う。結束が高まったところで向かい、「かれら」をなぎ倒していくが、みーくんはその顔を見て圭を思い出し(というか実際に圭だったのかもしれない、そこまでわからなかった)、ひるんでしまう。くるみに助けられなんとか倉庫前は討伐する。知らない生徒ならいいが、知っている生徒だと……と話すと、くるみもその時は目をつむっている、という話になり、屋上での回想になる。事件当時、葛城先輩に逃げろと声をかけられ、ともに屋上へ向かうが、途中で合った部活の友達が感染していた。噛まれそうになるが先輩にかばわれる。傷を負った先輩を抱えて屋上に逃げ込んだが、その後先輩も発症して襲われそうになり、くるみはそれをスコップで……

防災倉庫が開いたので、食糧や生活必需品が大量に手に入った。大量の食糧を前にはしゃぐゆきは、前より子供っぽくなっている……という話をしていると急にやつが現れ、くるみが襲われるがりーさんが消化器で殴り飛ばした。

夜、ゆきが、外が光っていて夜景がきれいーと言い出すが、実際には町の外に光はない。4人で窓の外を眺めながら、卒業したら進学か就職だね、という話になり、みんなの話をまとめると進学、だけどその前に卒業しなきゃね、という話になる。

学祭をやろう、という話になり、4人で飾り付けを進め、占い喫茶を開く。ゆきが占い師で、みーくんの未来は輝いています、りーさんは素敵なお嫁さんです、くるみちゃんの未来は見えませんwとかやっていると、火災警報器が鳴る。昇降口へ向かうと「かれら」が音に惹かれたせいでバリケードが突破され、しかも一人燃えているやつがいた。戦っているうちにゆきとくるみ、りーさんとみーくんに分断されてしまう。くるみはりーさんとみーくんを部室に逃し、ゆきも校舎を通って部室へ向かうよう指示する。だが警報機のせいで校舎中の「かれら」が興奮し、各所のバリケードや扉を留めていた板が破られてしまう。りーさんとみーくんは部室へ向かい、扉を封鎖したが破られる。くるみは屋上に逃げ高台へ避難するも囲まれる。

くるみは全てを諦めかけていたが、葛城先輩のことを思い出す。先輩は発症する前、自分がOBとして学校に残っていたのは、くるみのことが気になっていたからだ、ということを明かしていた。くるみは自分も先輩のことが好きだということを伝えられていないまま先輩を殺めてしまった。幻覚の先輩がくるみのとなりに現れ、くるみが告白する。好きだったことを伝えられた、もうこれでいい、というと、先輩はだめだよ、くるみは生きているから。俺がくるみのことを好きになったのは、くるみがよく転ぶのを見ていたからだ。転んでも諦めないで立ち上がったからだ。諦めちゃだめだ。と伝える。くるみは気を取り直す。

くるみは屋上から部室へ駆けつける。焼死体を見て、2人はだめだったのかと勘違いしたが、奥から声が聞こえる。襲われている2人にバールをパスする。くるみも応戦して、噛まれそうになる……が平気だったっぽい。とりあえず部室にいた「かれら」は一掃できたが、ゆきがいないことに気づく。

火事の煙で倒れていたゆきは目を覚ました。ゆきの周りの「かれら」は焼け死んでいたので助かったようだ。煙の中にめぐねえが見える。待って! と追いかけるとそこは保健室だった。

3人がゆきを見つける。そこにはゆきと、かつてめぐねえだったものが立っている。めぐねえは自分を紐で縛り付けていたのでゆきは安全だった。くるみ、りーさんもショックを受けるが、めぐねえを楽にするためにも葬ることにする。ここで回想になる。事件後、ゆき、くるみ、りーさん、めぐねえは保健室で医薬品を回収していた。だがベッドの下に潜んでいるやつに襲われる。めぐねえは3人をかばって噛まれてしまう。くるみがスコップで倒したが、めぐねえはもう治らない。めぐねえは泣く3人それぞれにメッセージを託して、保健室に閉じこもる。

めぐねえを葬った後、ボロボロの部室に戻る。ゆきは「きれいにしなきゃ、めぐねえに怒られちゃう」と片付けようとするが、りーさんが留める。ゆきは「わかってた。全部わかってたよ。学校がこうなってたことも、めぐねえがずっと前からいなかったことも」と打ち明ける。それもあってか「卒業、だな」という流れになり、学園生活部は卒業式を執り行うことになる。

卒業式では各々が挨拶、卒業証書授与をして、『仰げば尊し』を歌った。式後、学校に別れを告げ、めぐねえが遺していた車に乗り込み、学校の外へ走り出す。

見た人向けの感想

結論から言えば、尺の都合や実写にする上で改変された各要素に、合理性と原作へのリスペクトを感じた。『がっこうぐらし!』の世界を現実に起こすとしたらこうなる、というのを最大限やってくれた、『がっこうぐらし!』が好きな人にとって良い作品だと思う。

漫画・アニメとの大きな相違点

めぐねえ・ゆきの立場

めぐねえが養護教諭&保健の先生&園芸部顧問だった。ゆきが保健室登校であることなども絡めて、保健室の先生が生徒の相談相手になりやすい?ということを考えると、割と自然な改変ではあると思う。アニメでは英語の先生で、授業の板書に今後の展開を示唆するような英文が書かれていて話題になったが、映画の授業(ゆきの妄想)では病気の感染経路について書かれていた。ちゃんと読んだら何かしらあったのかもしれない。

太郎丸

太郎丸はいない。登場させると話が膨れるので、時間制限を考えるとまあそうか。

みーくんの発見

漫画・アニメではショッピングモールだったが食堂になった。これも尺の問題でしょうがない。知っている人からすると圭が引き込まれるシーンで色々こみ上げてしまうけど、初見だと圭の存在感薄いかも? わからない。

くるみ

くるみは噛まれない。りーさんとみーくん救出のシーンで微妙に噛まれたように思えたが、本人が大丈夫と言っている。この映画に続きがあるかというと微妙なので、伏線にもならなそうだし、普通に噛まれてはいないのだろう。

漫画・アニメとの細かい相違点

学校の設備とか

職員用マニュアルだとか、そういう壮大な設定に関わる要素は出てこない。食糧もただの防災用だった。電気ガス水道も、火事でダメになるまでは普通に使えたのだろう。節電とかしている描写はなかったが。

言い回し

漫画・アニメでは「そんなのただの共依存じゃないですか!」となっていたみーくんのセリフが「そんなのただ寄りかかってるだけじゃないですか!」に変わっていた。漫画・アニメでも特徴的なシーンではあったが、「共依存」といわれてぱっと文字が出ては来にくいので、わかりやすいものに変えたのかもしれない。

ゆきの認識

ここが一番引っかかったが、火事の後ゆきは、事件が起こったことやめぐねえがいなかったことをずっと認識していた、と明かした。車で学校を出るシーンでも、「私達の他にも生き残りがいるかも!」と言っていた。漫画・アニメでは、卒業後ゆきの認識が多少はっきりしてきたとはいえ、今までのものが演技だった、と明言はしていない。映画でも演技だったとまでは言っていないが、わざとやっていた部分があるような言い方をしている。(「今まで迷惑かけたよね、ごめんね」と反省している。)これは意図的な改変のように思えるが、理由をつけるとしたら、彼女たちの「卒業」があるのだろう。みーくんがゆきを足手まといだと指摘していたこと、ゆきの告白を聞いてくるみが卒業しようと言ったことを考えると、校舎や備品が焼けたことだけでなく、学園生活部がめぐねえから自立をすることも卒業のトリガーになったのかもしれない。

漫画・アニメではゆきだけ制服の色が違うことについて色々考察があったけど、逆に映画でゆきの制服が他の人と同じなのは、映画でのゆきが実は正常だったことを示唆しているのかもしれない? みーくんを制服で2年生だと判断するシーンがあったので変に注目されないようにというのもあるかもしれないが。

配役について

最初映画のイメージが公開されたとき、ゆきとみーくんが一瞬で見分けられた。髪型とか振る舞いとかもあるかもしれないが、漫画・アニメのような髪色の違いがなくても雰囲気でわかるあたり、ピッタリだったのかもしれない。くるみとりーさんは髪型判断だったのでそういうのはなかった。

くるみ

配役順の通り、この映画ではくるみがかなり主人公的だった。くるみの恋心も話にだいぶ関わるので、くるみの案外乙女チックという部分が大きく出ていたかもしれない。パンフレットでも触れられていたけど背が高い。陸上部なら妥当か。

ゆき

ゆきみが高い。というか、ゆきのようなキャラクターは現実では考えにくいけど、それをうまく現実世界に持ってきたような、ちゃんとリアルにいそうにした感じ。「ごみん」が一回出てきて笑った。

りーさん

映画ではりーさんを主軸に置いた展開というのがなかったので、割と影薄めになっていたかもしれない。漫画やアニメであったゆきの保護者的要素がなくなっていたので、りーさんっぽさを決定づけるシーンが無かったというのはしょうがないけど、ちゃんとりーさんではあった。

みーくん

最初は敵意むき出しみたいな目だったのがどんどん柔和になっていくのがとてもよいですね。卒業式のときちゃんと眼帯してるのもよい。

めぐねえ

上記の通り若干設定変わってるけど、めぐねえだった。漫画であった、自分は大人側だ、みたいな心情の場面はなくて、実際生きてるのも少しの間だったからこそ、佐倉慈としてよりもめぐねえとしてのほうが表れていそう。でも保健室での別れのシーンは佐倉慈だった。

演技について

申し分ないし、心配するほどのこともない。強いて言えば喧嘩のシーンとかもの足りない気はしたけど、女子高生のリアル喧嘩とか見たことないのでなんとも言えない。

音・歌について

途中、確かみーくんが脱走するシーンで、リバース音?逆再生っぽい背景音があって、ホラー的なものだとは思うが、『アフターグロウ』を思い出した。

合唱曲は『大切なもの』と『仰げば尊し』の2曲流れた。漫画でもアニメでも卒業式のシーンは『仰げば尊し』だったので当然ではあるが。アニメでも漫画でも泣いたし同じように泣いた。

主題歌とエンディングは終了後一気に流れた。パンフレットに歌詞が載っていたけど、歌詞が作品と関連のある内容かというとよくわからない。作品と絡めて考察することは不可能ではないけど、別に単体でも成り立っているような感じだった。

伏線とか

初っ端の学園生活部の朝食のシーン、よく見るとめぐねえの分が用意されていない。その後の食事シーンでもうまい具合にめぐねえの手前が隠されているが、食器が一切ない。学祭が完成して打ち上げのシーンでも、めぐねえのコップだけ空である。他にも初期のみーくんのセリフがめぐねえにかぶり気味だったり、このあたり漫画やアニメをちゃんと踏襲していて面白かった。

きれいな学校がゆきの妄想だったという話について。アニメではこれが隠されて、1話でそれがひっくり返るというところに一つの面白さがあったが、映画ではこれをしないで良かったと思う。そもそもアニメでは日常系というジャンルが確立されている上、週ごとに12~3回放送できるので装いを変えることができるが、映画では日常系とだけ銘打って見に来る新規がいるのかわからないし、そこで実はホラーでしたという展開をやっても複雑になるだけだからだ。そもそも日常から非日常への急変は作品の一面でしかなく、『がっこうぐらし!』の本質はそれらの共存、非日常の中で日常を作り出そうとする美しさと力強さにあると思う。監督はモチーフとしてのホラーはあるが根本にあるテーマは青春だ、と語っていたが、その方向性が現れていた。

「かれら」について

ゾンビが思ったより綺麗だった? いや、食堂に向かうシーンで急にアップで出てきたシーンはびっくりして飛び上がってしまったが。なんだか、かれらがウロウロしている様子がとてもマインクラフトっぽかった。

危うくはあるけど女子高生が倒せているのにこれだけ人がやられている、というのは漫画でもアニメでも同じだが、これは原因であるウイルスが空気感染力を持つことによるというのが漫画で明かされている。

みーくんとくるみが、「かれら」が知っている人だった場合のことを話していたシーンを見るに、「かれら」が綺麗なのは話の上で必要だったことなのだろう。漫画やアニメで顔を見て人物を判定しているのは確か圭のシーンくらいだったけど、髪型で判断していそうだし、そもそも漫画とアニメではシーンによって「かれら」の綺麗さに幅があったり謎オーラが出ていたりするが、実写にする上でその辺りを曖昧にできなさそうなので、まあそうなるのかな、とは思う。あと感染後すぐに発症していたりするのでその場合はあまり汚くならないか。

火事のあと、校内中のかれらが焼け死んだら流石に臭いのでは? と思ったが、そのような描写はなかった。

スコップやバールでなぎ倒していたけど血とかが出ている様子はなかった。それより倉庫でりーさんが消化器で何度も殴っていてそっちのほうがダメージありそうで笑ってしまった。

特徴的だったシーン

みーくんが PTSD を起こすシーン

自分はこういう災害とかパニックとかを見ると泣きそうになってしまう癖があって、みーくんが発作を起こすシーンは来るものがあった。だからこそ、ゆきに手を取られて救われて、ゆきを見直すようになったのだとしみじみ感じる。

夜景を見ながら将来のことを語るシーン

表面上は希望にあふれた未来の会話をしてるけど、学校の外は真っ暗で、背後にとてつもないどうしようもない絶望感がある、みたいな印象を強く受けたシーンだった。このミスマッチが『がっこうぐらし!』の世界観そのまんまでとても良い。

めぐねえと分かれるシーン

これは泣く。

卒業式

漫画でもアニメでも泣くのでわかってたけど泣いた。

結論

結論は先に述べているけど、『がっこうぐらし!』の世界をどうやったら現実に持ってこれるか&この時間制限で表現できるか、ということがかなり考慮されていると思う。監督が言っている、コスプレっぽさをなくすだとか、ホラーでありつつメインは青春ものだとかそういう方向性が自分の求めていたものにマッチしていたのかもしれない。かつ、絶望の中で暮らしを続ける彼女たちを見て、漫画やアニメを見たときと同じ、楽しそうだな、という感情を想起することができた。自分が『がっこうぐらし!』好きだから色々バイアスかかっているかもしれないし、知らない人が見てどういう感想を持つのかはわからないが、好きな人にこそ観てほしい作品というのは頷けるなと思った。

他の感想を見た感想

結構肯定的な感想が多くて嬉しい。

キャベツは『がっこうxxx』の方だったのね。正直キャベツとか霞むくらい本編良かったのであれだけで判断材料にはならないよね。

りーさんが消化器で何度も殴っているのはりーさんの非力さを表しているという解釈があってあーそっちじゃんってなった。りーさんごめんなさい。

おまけ:『がっこうxxx』を観た感想

Amazon Prime に登録したので『がっこうxxx』の方も観た。

本編より血が出ていた気がした。

本編と関係ないか……と思って観ていたが、めぐねえのことがクローズアップされていた。めぐねえの学校に対する考えとか、カウンセリング力の高さとか、ああこの世界のめぐねえはこうなんだなあと感じさせてくれる。やっぱりこの世界のめぐねえは保健室の先生で良かったなと思った。

梢とゆかりが夜めぐねえのところに向かうシーン、結局2人はめぐねえらに会えないということがわかっていたのもあってドキドキした。結局、知っている人のことは殺められない、という本編にも関わる心情が出てきた。2人そろってやられてしまうのはちょいこじつけだけど、そうやって終わってしまうのか……というやりきれなさがある。それをやってのけたくるみのメンタル……

璃子と真帆の話にみーくんが首を突っ込んできたのはちょっと謎。まあ生きてる圭がみーくんと楽しそうに会話してるシーンは貴重なので見られたのでよかった。

教頭が「今はこの先だけが安全なんだ!」と言っていたのは何かの伏線? 本編では学校側の事情が出てきていないけどどうなんだろう?

結果として、『がっこうxxx』は本編の後に観るほうがいいような気がする。本編とは意図が違うところにあるような気がするというか、本編を観て理解した部分を元にこちらで考えられる部分が大きいというか。